現代小説

『ハシバミ八』を読む

■メティン・カチャン(Metin Kaçan) 1961年、カイセリ県インジェス郡に生まれ、イスタンブールに育つ。 『ミザー』誌に連載した短編でデビュー。やがて、1995年に『重厚小説(Ağır Roman)』が出版されると、これは脚本化され映画となった。 その後、シンナ…

 新着本(2)『ハシバミ八』

〔書 名〕FINDIK SEKİZ (仮題:『ハシバミ八』) 〔著 者〕Metin Kaçan (メティン・カチャン) 〔出 版 社〕Can Yayınları 〔出 版 年〕Yapı Kredi Yayınları、初版1997年 (2003年ジャン出版移籍/最新版第5刷) 〔頁 数〕125ページ ―象徴的・寓話的感触のな…

『危険な芝居』を読む

■オウズ・アタイ(Oğuz Atay) 1934年、イネボル生まれ。 1951年にアンカラのマーリフ・コレジを、1957年にはイスタンブール工科大学建築学部を卒業する。その3年後、イスタンブール国立エンジニア・建築家アカデミーで建築科の教官となり、1975年には助教授…

 新着本(1)『危険な芝居』

『キラーゼ』のシノプシス作成も中断したままだというのに、早くも歴史小説に飽きてしまったようだ。飽きっぽい自分のこと、そのうち「歴史小説熱」も再燃することだろうから、ここは今の気分に素直に従って「純文学系」に戻り、先日届いた二冊の現代小説を…

『眠りの東』を読む

■ハサン・アリ・トプタシュ(Hasan Ali Toptaş) バイオグラフィ 1958年、デニズリ県チャル郡に生まれる。最初の短編小説『笑いの正体(Bir Gülüşün Kimliği)』が1987年に、2冊目の短編小説『無の囁き声(Yoklar Fısıltısı)』が1990年に出版される。 『死んだ時…

『千の憂鬱、一の愉悦』を読む

この数ヶ月、オルハン・パムックに代わる作家を探しあぐねてきた。 どうせならトルコ文学史上重要な位置づけにある作家・作品をと気負う一方で、なにより翻訳の愉楽を見出すことのできる作品でなければ手を出すべきではないことは、私自身が一番よく分かって…