2012-01-01から1年間の記事一覧

 新訳『わたしの名は赤』より(2)

§哲学的命題は哲学的であれ。概念はあくまで概念的であれ 細密画の奥義を語るこの部分。本作品の中でも最も哲学的、概念的な表現が続く箇所である。 Nakıştan önce bir karanlık vardı ve nakıştan sonra da bir karanlık olacak. Boyalarımızla, hünerimiz …

 新訳『わたしの名は赤』より(1)

§ふたたび「頭から順に」のススメ 2年前の最後のブログでも全く同じ指摘を行ったが、今ふたたびこの主張を繰り返したい。日本語とほぼ同じ語順・構造をもつトルコ語を訳すにあたっては、英文和訳のように「後ろから前に」ではなく「頭から順に」訳すのが最も…

タイトル変更―そしてブログ再開

ブログを顧みなくなって2年が過ぎた。その前年に開業した本業の方で多忙になったこともあり、実務翻訳の方は少しずつ縮小を余儀なくされ、現在は本業の合間に差し込めそうな小さい案件を受ける程度である。 その一方で文芸翻訳への情熱は、熾火のように時折…